神殿のガーメント

エンダウメントの儀式をモルモンの神殿で受けたモルモン教会の会員は、通常、ガーメントと呼ばれている特別な肌着を身に着けます。それは、エンダウメントの儀式を受けて、主と神聖な聖約を交わしたしるしです。ガーメントは、真っ白な肩から膝丈まで体を覆う肌着です。ガーメントには、神殿で交わした聖約を思い起こす象徴的なしるしが施されています。神との聖約を思い起こす象徴であると同時に、控えめでつつましさを標準とする衣服の着用を促します。ガーメントが、着用している衣服からはみ出したり、見えたりすることのないような衣類を選ぶことで、慎みある着丈、襟周りなどがおのずと促されます(胸がはだかっていたり、丈の短いものでは、ガーメントが見えてしまいます)。

またガーメントは、悔い改めとキリストに対する信仰が常に必要なことを記憶しておくことを促します。聖典はあらゆる箇所で、神の戒めに背く「罪」の比喩としてガーメントの「染み」として書かれています。その「染み」(罪)を取り除く唯一の方法は、キリストの血で罪を洗うことだと聖典は述べています。つまり罪を犯した人が、イエス・キリストを信じ、キリストの贖罪を受け入れ、悔い改めることで、罪が許されることを教えているのです。ですから、白いガーメントは、主の前にあって純粋で清いことを象徴しています。エンダウメントを受けた教会員は、生涯、ガーメントを身に着ける義務があります。水泳や入浴など一時的にガーメントを脱ぐ必要のある場合がありますが、本来の目的を十分理解しているならば、どのような場合がガーメントを脱ぐ必要があるかは、個人が神聖な聖約に基づいて適切な判断をするよう薦められています。

ガーメントの着用には、祝福が伴っており、着用することはいわば特権です。もしエンダウメントを受けた教会員が神殿で交わした聖約を破った場合、聖約にふさわしくない人は着用すべきではありません。また神殿での聖約を交わしていない人も、着用する権限がありません。

教会員は、ガーメントは霊的で内なる決意である神に対する神聖な約束を思い起こすための外形に過ぎないことを覚え、常に正しく身に着けるよう促されています。ですから流行やその他の都合に合わせて、補正するべきではありません。正しく着用されるなら、ガーメントは悪と誘惑からの守りとなります。カルロス・E・エイシー長老は、次のように述べました。

「私たちが神殿を後にするとき、神殿の一部を持ち帰ることができるようにしてくださった主の方法がガーメントであると私は考えています。確かに私たちは霊感あふれる教えと神聖な聖約を、思いと心に刻み込んで主の宮居から持ち帰ります。しかしながら私たちが世の中へ持ち帰ることのできる一つの有形の記念がガーメントなのです。私たちはいつも神殿の中にいることはできませんが、その一部は常に私たちとともにあって私たちの生活に祝福をもたらしてくれます。」(リアホナ誌、「神殿のガーメント」、1999年9月号33-39)

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